For 10 years
次々と折り紙で作った花やリング、“ママおめでとう”の文字を飾っていく。



「できたっ!」


「やったー!」



二人顔を見合わせて喜んでいるのを見ると、俺まで嬉しくなった。



「ママを呼んでいいぞ」


「うん!」



蒼太はそう言って、戸の近くまで行き



「ママー、あけていいよ!」



すぐに、戸がゆっくりと開けられる。


その瞬間、三人でクラッカーの紐を引いた。



パーン!!



「わっ!何!?」



絢華ちゃんは、その場で一歩後退るように吃驚した。



「「ママ、おたんじょうびおめでとう!」」



蒼太と優華がそう言ったけれど、絢華ちゃんはすぐには反応せず、ワンテンポおいてから



「あ、今日、誕生日だったんだ」



なんて、絢華ちゃんらしい言葉をこぼした。
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