For 10 years
部屋中に飾られた飾りを見て、絢華ちゃんの目から涙がポロポロと溢れてきた。



「あれ?ママないちゃった」



絢華ちゃんは、不思議そうに言う蒼太と優華の傍によって、二人をぎゅっと抱き締めた。



「蒼太、優華、ありがとう。ママ、嬉しすぎて涙が出ちゃった」


「うれしくてもなみだがでるの?」



首を傾げながら蒼太が言う。



「そうだよ。蒼太と優華が生まれた時も嬉しくて、ママ泣いちゃったんだよ」


「そうなの?」


「うん。ママのために、こんなに可愛い部屋にしてくれてありがとね」


「「うん!!」」



蒼太も優華も満面の笑みを浮かべている。


やっぱりこの二人の笑顔を前にした、絢華ちゃんの笑顔が一番綺麗だ。


この笑顔見たさに、俺は今日のことを計画したんだ。
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