For 10 years
「舜、隼人さん、ありがとう」



いまだ目に涙をためながら、嬉しそうにそう言う絢華ちゃん。



「絢華さん、おめでとう。さっき泣きだした時は焦ったよ」



は?泣いたのか?



「さっき?」


「ほら、蒼太と優華をもう迎えに行ったって話した時」


「だ、だって」



よくわかんねぇけど、今が笑顔だから大丈夫だよな?


舜くんがお祝いの言葉を言ってから、俺も口を開く。



「絢華ちゃん、おめでとう。先月絢華ちゃんから悩み聞いた時にさ、半分は俺のせいだって思ったから、なんとかしねぇとって、今日のこと計画したんだ」


「隼人さんのせいじゃないよ。あたしの言い方が悪かったんだし」
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