For 10 years
「蒼太と優華に、また同じ話をしても、もう大丈夫だと思うぞ。つか、してやれ。あん時よりも、ちゃんとした答えが返ってくるはずだから」


「そうなの?」


「ん」


「じゃあ近いうちに話してみるね」



絶対にもう大丈夫だ。


この二人は、何よりもママの幸せを願ってるんだから。


そのあとはみんなで、絢華ちゃんが作った夕食を食べた。


ケーキを出した時、絢華ちゃんは目を見開いて驚いていたけれど、そのあとすぐに嬉しそうに笑うから、その表情にどきどきした。


俺はいつまで、絢華ちゃんにどきどきしてるんだろう。


ケーキを食べ終わったあと、そろそろ俺はお邪魔だろうと



「俺、そろそろ帰るな」



そう言って立ち上がった。



「隼人さん、今日はほんとにありがとう」


「ん、じゃあまた月曜な」



そのままアパートをあとにした。
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