For 10 years
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絢華ちゃんの誕生日を祝った金曜日。


舜くんとの仲のいい姿を目の当たりにして、わかっていたことだけど、週末はひどく落ち込んだ。


二日間とも仕事だったから、何も考えずにずっと料理を作っていた。



週明けの月曜日……


出勤して、ホール手前で見たもの。


遠目でもわかるくらいに、泣き腫らした目をした絢華ちゃんがいた。


でもその表情は悲しんでいるわけではなくて……


むしろ、何かが吹っ切れたのか、幸せそうに笑っていた。


それが何か気になり、進藤さんと話している絢華ちゃんに近づいた。



「…――夢に優太が出てきたんです。いつもの夢とは違って、妙にリアルな夢で、……遺言のようなものを残してくれました」



そう言った絢華ちゃんの目から、涙がこぼれた。


優太くんが夢に?
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