For 10 years
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あれから二ヵ月が経った。


相変わらず俺の心には絢華ちゃんがいたけれど、今は絢華ちゃんの幸せを願っていたりする。



12月のシフトを決定する前に、進藤さんにお願いしたいことがあった。



「進藤さん、ちょっと話があるんだけど」


「ん?なんだ?」


「絢華ちゃんに彼氏ができたのは知ってる?」


「は?彼氏って……隼人、おまえは?」


「はは、また玉砕」



進藤さんは俺の気持ちを知ってるから、いろいろと協力してもらったこともあった。



「マジかよ。でも確かに、最近の絢華ちゃんは明るいもんな」


「ん、……でさ、お願いがあるんだよな」


「お願い?」



ずっと考えていたことを口にした。



「絢華ちゃんの彼氏って、大学生なんだ」


「大学生?」
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