For 10 years
進藤さんは吃驚したのか、目を見開いている。


まあ正直なところ、俺も、年下で、しかも突然現れたヤツに、絢華ちゃんをもってかれるなんて、思いもしなかったけど。



「絢華ちゃんがするデートってさ、いつも蒼太と優華が一緒なんだ」


「まあ、そうだろうな」



進藤さんは“当たり前だろ”って感じで、話を聞いている。



「でさ……イブに休みをプレゼントしてやってほしいんだけど」


「は?おまえ何言ってんのか、わかってんの?」



進藤さんは、眉間に皺を寄せながら俺を見据えた。



「二人きりのデートをさせてやりてぇんだよ」


「おまえ、絢華ちゃんのことが好きなんだろ?……意味わかんねぇ」
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