For 10 years
俺も何でこんなことをしようとしてんのか、よくわかんねぇよ。


でもさ……


やっぱり俺は、これからもずっと絢華ちゃんの笑顔を見ていたいんだよ。



「頼むよ」



進藤さんはしばらく考えたあと、はぁーっと息を吐いてから



「……わかったよ。イブに休みをプレゼントすりゃいいんだろ?」


「ん、サンキュー」


「バカだよ、おまえは」


「はは、俺も自分でバカだと思ってるよ」


「そうだろーな」



正直俺が、ここまで一人の女に想いを寄せ続けるなんて思いもしなかった。


絢華ちゃんに出会う前の俺は、適当に遊んで、適当に付き合ってきたんだ。


まさか俺にこんな一途な一面があるなんて、自分でも知らなかったよ。


本気で惚れた女は違うってことなんだよな、きっと。
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