青空バスケ―3rd―
「突然押しかけてすみません……。
監督に聞いたらここで働いてるって言われたので……」
「あたしに何か用事?」
「はい。
ちょっと栞奈さんにお願いしたいことがあって……」
お願い……?
何だろう……。
「ちょっとちょっと!
そこで二人だけで盛り上がんないでよ」
いや、盛り上がってはないけど……。
「俺、秋山大地!
青桜バスケ部の副部長!」
秋山……大地……。
じゃあ、もしかしてこの子が洋輝君が話してた……。
「大地、今話してるところなんだから……」
「俺だって先生の彼女と話したいもん」
もう彼女じゃないんだけどな……。
とは言えず、勝手に話が進んでいく。
「あたし、真鍋亜稀です。
マネージャーやってます」
「マネージャー!?
そっか……マネージャー入ってくれたんだ……。
よかった、よかった……」
引退するときのあたしの心残り。
それはマネージャーが新しく入ってくれるかどうかってこと。
花井君達の代は入らなかったみたいだし……
その後もしばらくはいないらしかった。
……本当によかった。