青空バスケ―3rd―

「……大和……生徒達からすごく慕われてるんだね」

「え……?」

「……さっき、洋輝君と大地君があたしにいろいろ話してくれた」


大和のことが好きなんだって伝わってくるようだった。


「大和が忙しくしてたのは全部あの子達のためなんだって分かったら……自分がすごく小さく思えた」


……あたしは自分のことしか考えてなかったから。

あたしが少しうつ向くと……大和が近づいてくる音がした。


「……栞奈」


名前を呼ばれて顔を上げると……大和がじっとあたしを見つめていた。


「……俺も同じだよ」

「え……?」


あたしが聞き返すと……大和はあたしの頬にそっと手を触れさせ、親指をそっと滑らせた……。


「あ……」


自分でも気付かない内に濡れていた頬……。

大和はあたしの頬に触れていた右手を……そっと下に下ろした。

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