青空バスケ―3rd―
「泣かせたかったわけじゃ……ないんだけどな」
「大和……?」
「あんな伝え方しかできなかったのは……俺がガキだったからかもな」
大和が何のことを言ってるのか……すぐに分かった。
あの日……あたし達の関係が終わった日のこと……。
「……俺だって、結局自分のことしか考えてなかったよ。
栞奈が仕事に一生懸命なのは知ってたし、園児達が大事なのも分かってた。
俺だって同じだし……。
……だけど、それでもやっぱり栞奈が隣にいないと落ち着かなかったっていうか……」
大和はクシャッと自分の髪を掴み……力が抜けたように笑った。
「本当……バカみたいだけどさ。
……会いたくてしょうがなかった。
たとえ一週間だけだとしても……そんなに会わなかったことって学生時代には一度もなかったから。
……分かってるよ。
学生と社会人は違うって。
そんなこと分かってるけど……どうしても抑えられねぇんだよ」
……本当に、ずっと一緒にいたね。
友達とはちょっと違って……でも、大切な存在で。
そばにいないと不自然で……どこか調子が狂う。
いつの間にか……そんな存在になっていた。