青空バスケ―3rd―
「ちょっとちょっと、蓮ー。
大和がいないからってカンちゃん独り占めしないでよー」
「……ってか、栞奈酔ってねぇか?」
相沢先輩と南雲先輩がこっちのテーブルに来た。
「俺もそう言ったんですけどね……」
「酔ってないもん……」
「……この通りです」
「こりゃ、栞奈の世話係が来るまで待つしかねぇな」
「カンちゃん、もっと飲むー?」
相沢先輩に聞かれ、あたしは空っぽのグラスを見た。
「じゃあー……焼酎ロック!」
「「…………え?」」
蓮ちゃんと相沢先輩と南雲先輩が目をパチクリさせながらあたしの顔を見た。
「カンちゃんって意外と酒豪……?」
「大和も大変だな……」
「ってか、先輩達止めなくていいんですか……?」
「愁ちゃーん!!
カンちゃんに焼酎ロックお願いー!!」
相沢先輩が違うテーブルにいた鳴瀬先輩を大声で呼んだ。
「何で俺が……自分で頼めよ!
って……栞奈が焼酎ロック!?」
「鳴瀬先輩、早く!」
「あれ……栞奈、顔赤くないか?
大丈夫か?」
「酔ってないもん……!」
確かこの時……あたしは焼酎ロックを二杯飲んで、先輩達と騒いで……そこから先の記憶はあたしにはない。