青空バスケ―3rd―
「……蛯原さん、だっけ。
あなた、蓮の何なんですか?」
「あたしは……」
「彼女でも何でもないんですよね。
だったら、これ以上蓮に関わらないでもらえますか?」
くっ……と蛯原は拳を強く握りしめた。
「マユミ……帰ろう。
もうこれ以上は迷惑だよ……」
汐谷さんが蛯原を説得しようとする。
そんな汐谷さんを……蓮は複雑そうな目でじっと見つめていた。
「……分かったわよ。
帰ればいいんでしょ、帰れば」
何だよ、その言い方……。
……ムカつくな。
「梨子、行くわよ」
「う、うん……」
蛯原は偉そうな態度でそう言うと、さっさとリビングを出ていった。
「…………………」
「…………………」
汐谷さんは名残惜しそうな目で蓮を見つめ……蓮もそんな汐谷さんをじっと見つめていた。
「梨子!何してるの!」
「あ、うん……今行く!」
玄関の方から蛯原の声がして……汐谷さんは蓮から目をそらしてリビングを出ていった――