青空バスケ―3rd―
「……梨子ちゃん。
青桜高校の近くにあるストリートバスケ場って分かる?」
「え……うん。
何となく分かるけど……」
「来週の日曜日、あたし達そこでバスケをするの」
「バスケ……?」
あたしはゆっくり頷いた。
「蓮ちゃん、高校の時バスケ部だったんだけど……」
「あ……聞いたことある。
確か、副部長だったって……」
「うん。
それでね、久々にみんなでやろうってなったんだけど……」
あたしはまっすぐ梨子ちゃんの目を見た。
「もし梨子ちゃんが蛯原さんとちゃんと話をして……蓮ちゃんとも向き合うって決心がついたら……日曜日、そこに来て」
「え…………」
「……待ってるよ」
あたしはそう言って伝票を持って立ち上がると……静かにその場を去った。
……頑張れ――
心の中で……そうエールを送りながら。