青空バスケ―3rd―
「何?」
栞奈が興味津々そうに聞いてくる。
俺はそんな栞奈を見て小さく笑いながら、夕焼け空へと視線を移した。
「……家庭を作りたい」
「え……?」
……栞奈が驚いたように俺を見た。
「結婚して、子供ができて……そうだな……子供は二人ぐらい。
それで、いつかは一軒家とかも建てたりして。
夫婦喧嘩とか親子喧嘩とかたくさんすると思うけど……最後にはちゃんと仲直りして。
……そんな、どこにでもあるような……普通だけど温かい家庭を作りたい」
ありきたりだけど……幸せに満ち溢れた家庭。
そんなものが作れたらいいなって……そう思ってる。
「……それが、俺の夢」
……俺はしっかり栞奈と向き合った。
栞奈は驚いたような表情で……じっと俺を見る。
「俺の夢……叶えてくれますか?」