青空バスケ―3rd―
泣かせるつもりなんてなかった。
もちろん……別れるつもりなんてなかった。
だけど……分からなかった。
24年も一緒にいて、こんなに栞奈のことが理解できなかったのは初めてだった。
もう……限界だった。
一番はやっぱり……蓮や暁弥に相談してたことを俺には言ってもらえなかったことかもしれない。
あの時……俺とは話したくないと言った栞奈が、暁弥と楽しそうに話してるのを見てしまったことかもしれない。
「……疲れた」
……俺はそう呟いてソファの上に横になった。
だけど……目を閉じても栞奈のさっきの泣き顔が忘れられなくて……
……俺は冷蔵庫の中から缶ビールを取り出して、ヤケ酒を飲んだ。