青空バスケ―3rd―
「……知ってるよ。
大和にとって栞奈がどれだけ大切な存在なのか。
二年間ずっと見てきたからな」
「先輩……」
鳴瀬先輩の目は……どこまでも優しかった。
「……でも、俺がこんなガキみたいなこと考えてたから……栞奈は俺には何も言えなかったのかもしれないです」
「……どういう意味だ?」
俺は目の前にあったつまみを少し食べてから口を開いた。
「……栞奈、いろいろ悩んでたみたいで。
俺には言いづらかったり、遠慮して言えなかったのかもしれないけど……。
……でも、それを蓮と暁弥に相談してて。
それが納得いかなかったっていうか……。
俺はそんなに頼りないのかよって……」
「……嫉妬か」
「……まぁ、少しはそういう気持ちがあったのかもしれないですね。
俺はそうじゃないって思ってましたけど……。
……でも、もし栞奈が相談してたのが女だったらこんな複雑な気持ちにならなかったかもしれないです」
分かってる。
蓮と暁弥は栞奈にとって大事な友達であることは。
そんなことは分かってる。
分かってるけど……