青空バスケ―3rd―
「いたた……」
この歳で転ぶのはちょっと恥ずかしい……。
あたしが立ち上がろうとすると、頭上から慌てたような声が聞こえてきた。
「すみません!大丈夫ですか!?」
「はい。大丈夫で……」
顔を上げた瞬間、あたしは少し驚いた。
あたしの目の前にいたのは、懐かしの青桜の制服を着た男の子だったから。
「青桜……」
あたしの小さな呟きは男の子には聞こえなかったらしく、男の子は慌てた様子であたしの横の地面を見た。
「あの、ビニールが……!」
「え?………あ」
転んだ衝撃のせいか、物がいっぱい詰まってるビニール袋が破れていた。
男の子はしゃがんで散らばった物を集めてくれた。
その時、気がついた。
男の子は怪我をしてるのか、左腕を吊るしていた。