20年後の約束
学校に着き、校内で一番大きな
イチョウの木に向かう

今も残っているかなと思いながら
その場所に近づくと人影が見え
もしかして!と思い
走っていくと初恋の彼が立っていた

「……久しぶり」

当時の面影は残るものの
顔立ちはすっきりして
思わず見惚れてしまうほど
素敵な男性になっていた

行く途中に購入した
スコップを渡し土を掘っていく

小さい頃は
会話が途絶える事なんてなかったのに
今は無言

気まずい空気が流れる中
彼が口を開く

「今は何やってるの?」

「…都内でOLしてる。そっちは?」

「地元で営業やってる、彼はいるの?」
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