音と夢の羽
父は、よく口癖のようにいっていた。

たくさん勉強をして、良い大学に行き、
良いところに就職をすれば、

たくさんお金がもらえて、幸せになれるのだと。

わたしは正しいと思った。

だから、お受験をして、勉強をたくさんして、良い大学に入ろうと思ったのだ。

歌手なんて馬鹿げたことだと思ってしまった。

と言っても、
学校の勉強は簡単すぎるのに、
塾での勉強は難しすぎた。

正直、ついていけなかった。

父の期待には応えられなさそうだ。

中学受験をする生徒は、私のクラスで、私を含め三人だけで、残り2人は男子だった。

家に帰れば、父からの勉強の指導があり、塾に通い、友達と遊んでいる暇もなくなった。

どうして私は遊べないのだろうか。

そんな気持ちがあり、苛立っていた。

友達と全く遊べなくなり、ついには友達に八つ当たりをしてしまった。

受験をするというだけでも、風当たりが強いのに、わたしは自ら嫌われる原因を作ってしまったのだ。

どんな会話をすればよいのか分からなかったんだ。

休み時間は、よく一人でいるようになった。

一人は慣れていた。別にさみしくなんてない。

受験をするのは、金持ちだからだとからかわれた。

私は別にしたくてした訳じゃない。

ほんとうは友達と遊びたかった。

こんなひどいこと、言いたくなかったのに。

友達の一部から無視されるようになった。

私はこれを期にクラスから孤立するようになった。





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