初恋メランコリック




すると、いきなりドアをノックする音が響く




「凛ー、薬とか持ってきたんだけど飲める?」




茉奈だ。
葵や梨紅じゃなかったことに少しホッとする




「うん。入ってきて」



「失礼しまーす…」




茉奈はオドオドと部屋に入ってきて、ベットに近づいた

そして、床に膝をついてベッドに横になっている俺を心配そうに見つめた




「……なに。」



「い、いや!凛ってかわいい顔してるなーって……」



「……かわいくねーし。」




あー、熱で弱ってるせいかツッコミがうまくいかねぇ

茉奈は水と錠剤の薬を俺に差し出した
だるいけども体を起き上がらせる




「はい、これ頭痛薬ね?葵と寮に戻る途中に買ってきたから、キツかったら飲んで?」




「うん。どーも…」




薬を手に持つ
茉奈は相変わらず心配そうな顔をしていた


…ただの風邪なのに。

でも、誰かが心配してくれるのって悪くないな…
今までは俺が熱出したら、葵達とか帰ってきてくれたけどただ遊んでるだけだったし
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