初恋メランコリック
「いやー、どうせ凛の事だから茉奈にほっぺチューくらいしかできなかったんでしょー?」
「うっわー、凛たんあなたどんだけキス魔なの!?いやっ、汚らわしい!やっぱ生徒会のヤツらはエライんじゃなくて、エロいんだわー…」
「いや、あなたに言われたくないんですけど?」
葵と千尋が面白そうに、ベットから出れない凛に向かって野次を飛ばす
こんなにうるさいのに全く起きる気配がない茉奈ちゃんと、熱があるにも関わらずいつも通りにツッコミがきれる凛は、改めてスゴイと思う
とんだミラクルだ。
光輝なんか茉奈ちゃんの側で、眠そうにウトウトしている
凛の部屋の時計をチラッと見る
すでに時刻は7時半
でもまぁ、明日は休日だから遅くなっても問題ない
「あー、なんかお腹空いたぁー」
葵のその一言に千尋が反応する
すると、何やら玄関先から荷物を持ってきて買い物袋から食べ物を出した
カツ丼だ。
それと……焼肉弁当。
千尋は両手にカツ丼と焼肉弁当を持ち、凛に近寄る
千尋の目は、なぜかムダにキラッキラしていた
「凛、凛!!そろそろお腹空いただろ?ほら、焼肉弁当とカツ丼どっちにする!?」
「バカかお前!?熱ん時にまでそんなゴツイもん食えるか!!」
「えー、俺せっかく凛のために買ってきたのにぃー!」
「昼にすんごいモン食ったから夜メシいい。てか、食欲ねーし」
そう言って軽く千尋をあしらう凛
千尋は少しムッとしながらも葵を呼び寄せ、葵にカツ丼を渡していた