初恋メランコリック





「茉奈ちゃん、ご飯できたよー」






そう、キッチンから早乙女さんののんびりとした声が聞こえた



早く食べに行こう!

空腹が我慢できなかったあたしは、千尋に






「じゃあ、あたしご飯食べてくるから…」





「あっ、うん。引き止めちゃってごめんね!」






あたしの声にハッとしたような様子で、千尋はあたしに手を振った


どうしたんだろ千尋
なんかいつもと違って、大人しいから逆に気持ち悪い
失礼だけど。


あたしはお腹が空いて、千尋の様子はそんな風にしか気に留めなかった




そんなあたしに、千尋は






「……コットンキャンディじゃん。」






と、小さく呟いた事をあたしは知らない

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