初恋メランコリック





「ごめんね、買ってきたお弁当をそのままレンジで温めただけなんだけど…」





「ううん、いいよ!ありがとう。」





「そう?よかった。」






申し訳なさそうにそう言う早乙女さんをみて、文句が言える奴なんか少なくとも女子にはいないだろう。



ていうか、なんか逆にこっちが申し訳ないんですけど。


今日は唐揚げ弁当だ。
お腹が空いているせいで、この際なんでも食べれそうな気がしてきた。




あ、梨紅の今日のお粥だけは無理だけど。






「じゃあ、ゆっくり食べてね。」






早乙女さんがそうニッコリと笑い、あたしもつられて笑った。



あぁ、なんて美味しそうな唐揚げ弁当なんだ。
まぁ実際美味しいんだけども。



周りを見渡すと、案外カラフルな頭が。



千尋の金髪メッシュが入った、オレンジに近い茶髪。
葵の艶のある黒髪。
早乙女さんのイギリスの血が流れた色素の薄い茶髪。
梨紅の金に近い茶髪も。










マー○ルチョコだったらどうしよう。




ヤバイ、お腹空きすぎて思考が危なくなってきた。


早く食べよ。

あたしは思考が危なくなってきたため、イスに座り食べ始めた。
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