初恋メランコリック
いつの間にか俺の脳内は、茉奈ちんの事でいっぱいいっぱいだった。
そんな俺の隣に湊が居た。
さっきまで茉奈ちんと話していたのに、隣に湊がいた事すら気づかなかったなんて。
俺、余裕なさすぎ。
マジで、だっせー…
たった茉奈ちんだけの事で、こんなにかき乱される自分がマジで情けない。
どうした俺!!
俺はこんなキャラじゃないはずだろ!?
いつも通りに戻ってくれよ…
そう思っていると、
「…余裕ないね?今回は、」
と、憎たらしいほどにニッコリとした笑みを浮かべた湊が、話しかけて来た。
図星だ。
湊は洞察力がありすぎて困る。
ちょっとは気ィ抜けよ、寮くらいはさ。
俺はぼーっとする頭をフル回転させ、湊との会話を続けた。
「……別に。そんなんじゃねーし…」
「いつもは手を付けるのが早いのに、今回は奥手だね?今回は相手が茉奈ちゃんだから?」
「そんなんじゃ…」
「早乙女さーん!」
そう言い返そうとすると、それをあっさりと茉奈ちんに遮られた。