初恋メランコリック
早乙女さんって年上だったんだ
通りで落ち着きがあるなぁと思ったわけだ
「ハイハイ、茉奈ちん!俺っちここだから!無視しないで!!」
千尋が手を叩いてそう呼ぶ
相変わらずだな、千尋
すると、近くの椅子に座っていた超絶美形の人が千尋を蹴った
なんて美形なんだ
サラサラな髪を風になびかせて、顔をあげる美青年
白い肌に薄くてほんのり赤い唇
黒目がちの大きな瞳はあたしをじっと見つめる
ただ、真っ直ぐと
それは決してあたしが視線を外す事だって許さない
あたしを見つめた後、彼の方から視線を外した
「イッテー、何すんだよ葵!?なんで蹴った!?」
「…俺、足長いから。」
「いやいや、そんな問題じゃないんだけど!?そしてちゃっかり自慢挟むなぁ!」
「………はぁ。」
「何そのため息!?今の俺、そんなにため息吐くほどウザかった!?」