初恋メランコリック
「お礼は後でちゃんとするからさ、俺達からちょっとしたお願いがあるんだよね」
「なに?お願いって?」
「いやー、それがさー…」
千尋が目線をあたしから逸らす
チラっと千尋が見た先は
「……だから、なんで俺見んの」
「いや、これはやっぱりリーダーが言った方が…」
やっぱり葵だ
もう、言うなら早く言えばいいのに…
「あー、やっぱり千尋ヘタレだから俺が言う!」
そう言って光輝君が、何やら早乙女さんに耳打ちされ背中をポンっと押されてあたしの手を握った
ちょっと光輝君、顔近くないか?
なんかあたしが恥ずかしいんだけど
「茉奈ちん、俺からもお願いなんだけど…」
「な、ななな何!?」
「あのね、この学校って寮あるじゃん?俺達その寮の中の、特別寮なんだけどさー」
そう
この学校は寮がある
って言っても希望者だけの、寮だけどね
ちなみにあたしは寮生です☆←キャハッ
だってこっから家遠いし
結構広いから、満足してるんだよねー
「でね、その寮なんだけど…部屋が一つ余ってるんだよね。だから、その一部屋に茉奈ちんが来てくれないかなーって…」
…
……
………
…………はい?
「…それってつまり…?」
「んー、一緒に住むって事?」