初恋メランコリック



「えぇぇぇぇぇぇ!?!?」




あたしの声が室内に響き渡る




「うん、やっぱり茉奈ちゃんは期待を裏切らないよね」




早乙女さんの満足そうな声が聞こえる


でも今のあたしには耳を傾ける余裕もない
だって、一緒に住むってどういう事!?





「…なんで?」



「男だけっていうのも、むさ苦しいじゃない?それに、茉奈ちゃんみたいな可愛らしい女性がいるだけで、雰囲気も変わるしね」




落ち着きのある早乙女さんの声がやけに鮮明に聞こえる




「いや、でもそれがあたしじゃなくてもよくない?」



「いやっ、俺は茉奈ちんがいい!」



「千尋…」




千尋もいいとこあるんだな




「…光輝、」




葵が光輝君を呼ぶ
そして何やら目で合図をしているようだ




「俺、茉奈ちんじゃなきゃやだ」




光輝君が拗ねたように言う


か、可愛い…
ヤバイ、これは可愛すぎる
大きな瞳を潤して、頬を赤く染めている


その姿にあたしは………




萌えた




「光輝君がそう言うなら…」



「ほんと!?茉奈ちん大好きー!」




もう、その言葉さえもらえれば充分だよ


< 17 / 132 >

この作品をシェア

pagetop