初恋メランコリック
「えぇぇぇぇぇぇ!?!?」
あたしの声が室内に響き渡る
「うん、やっぱり茉奈ちゃんは期待を裏切らないよね」
早乙女さんの満足そうな声が聞こえる
でも今のあたしには耳を傾ける余裕もない
だって、一緒に住むってどういう事!?
「…なんで?」
「男だけっていうのも、むさ苦しいじゃない?それに、茉奈ちゃんみたいな可愛らしい女性がいるだけで、雰囲気も変わるしね」
落ち着きのある早乙女さんの声がやけに鮮明に聞こえる
「いや、でもそれがあたしじゃなくてもよくない?」
「いやっ、俺は茉奈ちんがいい!」
「千尋…」
千尋もいいとこあるんだな
「…光輝、」
葵が光輝君を呼ぶ
そして何やら目で合図をしているようだ
「俺、茉奈ちんじゃなきゃやだ」
光輝君が拗ねたように言う
か、可愛い…
ヤバイ、これは可愛すぎる
大きな瞳を潤して、頬を赤く染めている
その姿にあたしは………
萌えた
「光輝君がそう言うなら…」
「ほんと!?茉奈ちん大好きー!」
もう、その言葉さえもらえれば充分だよ