初恋メランコリック


「ただいまー…って、何作ってんの?」



キッチンにひょこっと顔をみせた凛
凛は帰りがいつも遅いのかな?




「おかえりなさい。今日は茉奈ちゃんのオムライスですよー」



ふんわりとした笑顔で、早乙女さんがそう言う


あたしは最後の凛の卵を急いでかき混ぜる
いい所に帰ってきたな、凛

あったかい出来立てのオムライスが食べれるなんて




「…ま、茉奈!」




いきなり凛に名前を呼ばれて、反射的に凛の方へ向く

凛はなぜか頬を赤く染めていた




「な、なに?どうした?」



「あ、その…俺の卵さとう多めでいいから!」



「あー、わかった」




そう言い残して、凛はさっさと自分の部屋へと戻って行った

凛ってどっちかっていえば、可愛い顔してるよね




「何だったんだろうね、凛。顔あんなに赤くしちゃってさ…熱でもあるのかな?」



「あの子は生粋のツンデレだからねぇ…」




困ったものだ、と続ける早乙女さん

よくみんなの事わかってるんだなぁ…

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