初恋メランコリック
あたしは急いで教室の中を見渡す。
すると、やけに明るい茶髪のボブの子を見つけて、手をふる
「おかえり、茉奈!」
「ただいまー愛梨。ねぇ、見てこれ」
「帰ってきて早々なんだよ。…えーと、なになに阿久津千尋…」
そう言ってあたしが渡した教科書を、まじまじと見つめる愛梨
なんかやけに真剣じゃないか
いつもそのくらいの真剣さがあれば、少しくらいシリアル…じゃなかった、シリアスになれるのに