初恋メランコリック
「ちーひーろ?なんで泣いてんの…」
「…もう、ほっといて……俺の傷を癒せるのは茉奈ちんかこーちゃんだけなんだよ。お前らみたいな可愛げのない男に心配されても、なにも変わらねーんだよ」
「じゃあ、こーちゃん呼んでくるね!」
「え?いや、そこはふつーに茉奈ちん呼ぶだろ?りっくん空気読もうよ」
「…千尋みたいなバカには、茉奈ちゃんはもったいないと思うんだけど?」
梨紅の黒い笑みが落とされて千尋は、大人しくなった
ほんと、梨紅は何者だろうか…
あたしは葵にやっと解放されて、千尋が飛び出して行った廊下へと出た
すると、千尋が廊下の隅に体育座りしていた
もちろんその前には梨紅と凛の姿
「茉奈が悪いぞ、あれは」
そう凛にデコピンされたおでこを摩りながら、凛の後姿を見ていた
…あたしが悪いのか?
あたし、何もしてなくないか?
そう思いながら、あたしは千尋の拗ねっぷりを見ていた