初恋メランコリック
「そうやって拗ねるくらいなら、千尋も茉奈にすればよかったじゃん。」



「俺っちは純粋だから、あーちゃんとかこーちゃんみたいにあんなどストレートにできるわけねーだろバカヤロー…」



「そうだよ、葵達みたいに千尋も素直になってすればこんなめんどくさい事に巻き込まれなくても済んだのにね!」




そう、笑顔で毒を吐くのは紛れもなく梨紅で

あれから千尋の拗ねっぷりを見ていたが、なかなかなおりそうになかったので、みんなが千尋をリビングまで引っ張ってきたのだ




「じゃあ、もうあたし寝るよ?」



「えっ、早くね!?風呂とかどうしたの?風呂とか」




なんで2回も言うんだよ




「千尋が拗ねてる間にみんなほとんど入ったよ」




すると、千尋は今度は盛大な溜息をついたのだ
なんだよ、もう




「うっわー…俺マジで勿体無い事しちゃったよ。こんな事なら拗ねたりなんかせずに、黙って茉奈ちんのシャワータイム観察しとけばよかっ…「黙れ。」」




なんだこの人、やっぱりただの変態だった




「じゃあ、とにかくおやすみ?みんな早く寝なよー」



「あー、じゃあ俺が部屋まで案内するよ。茉奈ちゃん、ついて来てね」



「あぁぁぁぁ!ダメだ茉奈ちん、湊について行ったらお、おおおお襲われる!!だから、俺っちが部屋まで案内するよ!」



「千尋の方が危ないと思うけどねぇ?」



「は、ハイ…」




やっと大人しくなった千尋

あたしは急いで早乙女さんの後をついて行った


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