初恋メランコリック




「あ、そうそう光輝君。阿久津千尋っていう人、呼んでくれないかな?」



「あー、千尋?千尋に何か用事なの?」




やめてくれ、光輝君
上目遣いは最強の攻撃だ。それも光輝君なら尚更




「うん、そうなの。だからお願いできないかな?」



「いいよー、千尋ー!茉奈ちんがお呼びー!」




そう言って光輝君は、阿久津千尋の所へと走っていってしまった


すると、今度は阿久津千尋がこちらに向かって来た




「えー、なになに?こんな可愛い子が俺をお呼びだなんて、まじラッキーだぜ今日。」




うわー、なんか軽そう

でも改めて近くで見ると、この人も綺麗な顔してるな…
同じ学年にこんなイケメンいたっけ?



いやー、それが実はいるんだな。目の前に





「あ、あのっこれ…」




そう言ってあたしは阿久津千尋の教科書を差し出した
おっと、いけない

柄にもなく緊張しちゃったぜ
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