初恋メランコリック



「え、なんでこれ茉奈ちんが?」



「いや…これあたしのロッカーに入ってたから…」



「ま、まじでか。もしかして愛ちゃんとロッカー隣だったりしちゃう?」



「うん…たしかそうだったような…」




そう言うと阿久津千尋はしまった、というような顔をした





「うっわー、ヤベー。俺やっちゃったよ、教科書貸してって頼まれたのに、間違って愛ちゃんじゃなくて茉奈ちんのロッカーに入れちゃったよ。」




予想通り、こいつアホだった。
てか、ちゃっかり"茉奈ちん"呼ぶなぁぁ!!


それで呼んでいいのは、光輝君だけなんだから!




「わざわざありがとね。あ、俺阿久津千尋!千尋って呼んでねー」



「う、うん…分かった」



「あー、それとなんかお礼したいから、今日の放課後に一階の空き教室まで来てくれない?」






まじでか。


今日は愛梨とクレープ屋さんいこうと思ってたのに…

仕方ない、今度埋め合わせしよう
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