初恋メランコリック
凛の目の前にあるもの
鍋の中はどす黒い物体と、唯一原形をとどめているモヤシが飾りとなっている
それを目の前にした凛は、冷や汗ダラダラだ
「も、もっかい火ぃ通そうか…」
「いい。爆発しそうだから」
あたしが気を利かせて呟いたが、凛は頑なに拒否した
そりゃそうだ
目の前にある料理…っていうか、危険物はあの後梨紅が醤油やらマヨネーズやらドレッシングやらたくさんの調味料を、バカみたいに注ぎ込んだのだから
すると、葵が凛に耳打ちをした
「これ、味つけはほとんど梨紅が担当したんだよ」
「うん、わかる。あいつの腹ん中と同じ色してるもん」
「さぁ凛たん!遠慮しないでじゃんじゃん召し上がれっ」
「遠慮するわ!!」
梨紅がにっこにこした顔で、あの危険物をスプーンですくった
凛はこれでもかってくらいに、顔を青ざめさせている
あぁ、かわいそうに凛…
でも誰も助けようとはしなかった