白い手紙 ~ 二つの心~
「だとすると...」
源田さんが鑑識に渡していた凶器の
ナイフがやっぱり気になる。
「鑑識さん、ちょっとナイフ貸してもらえ
ます?」
「はあ、...いいですよ?あ、でも!言っと
きますけど源田さんが言いと言ったからです」
...あ、そう。
やっぱりない。
何度もこのナイフで刺したなら血が飛び
散っているはず。それにこのナイフにも
血が先のところにしか付いてない。
じゃあ、空が見た血はどこに消えた?