白い手紙 ~ 二つの心~
「洋子さん。あなたですね?」
「なっ――....洋子だと!?」
物陰に隠れている洋子さんが申し訳
なさそうな顔でてきた。
「すいません...盗み聞きするつもり
ではなかったのですが...」
ふむ。演技してるつもりみたいだけど
俺には嘘にしか見えない。
「そうですか....洋子さん。あなたは
劇団に入っていたようですね」
「! どうしてそれを...」
「写真ですよ。風間さんの部屋に飾って
ある一枚の写真に書いてありました。
“believe flour ”ってね」
その言葉を言った瞬間洋子さんの顔が
急激に怖くなった。