白い手紙  ~ 二つの心~





「おいおい、俺にもわかりやすく教えろ

よ夜行」




 ...はー、これだから。





「分かりました。では俺が犯人だと仮定

して行動します。源田さんは被害者役の

時雄さんの――...」


「俺に今さっきと同じ事をしろと?」





「....はい。簡単に言えばそうです。

ですが今度は、時雄さんの本当にいた

場所...死体現場を案内します」



「なっ――...死体現場があの部屋じゃ

なかったのか!」





「ええ。死体をそこに運ぶのは大変
        ・・・・・・・・・
だったでしょう。もう一人いない限りは」




 俺も少し驚いたけど、

 やっぱり人の心というものは

 白い羽が黒に染まってしまうと

 もう元には戻れないから

 貫くしかない、んだよな。




「はい。ここです」




 動かしていた足を止める。




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