白い手紙  ~ 二つの心~





「台所...!!」




「そう、実際時雄さんは灰皿で頭を怪我

してしまった。けどかすかにずれていた

ことで死には至らなかった。時雄さんの

いた部屋からここの台所まではそう長い

距離じゃない」




「まさかっ、いやそんな...!」





 源田さんは原点に気づいたみたいだ。

 そう。ここで殺されたのなら―...。




「風間さんも犯人、ということになって

しまう」




「けど風間さんは何も殺す動機なんて

ないだろう?」




 そこだ。そこなんだ問題は。
 
 俺もそこが引っかかっていた。

 けどすぐに分かった。




「まだ分かりませんか?風間さんは

わかったんですよ。ストーカーの犯人が」




「...風間さんの娘さんのことか!」




 このことは源田さんと俺と犯人しか

 しらないはずだ。


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