白い手紙  ~ 二つの心~




 ~空side~





「空か。どうした?」




 月に照らされた夜光がかっこよくて

 目線を下げながら言った。




「あ、うん。ご飯食べてなかったから、

夜食を持ってきたんだけど...食べる?」




 やっぱり、いらないよね...。

 来た意味なかったかな。




 じーっと、ただおにぎりを見つめている。

 私の心臓の音がうるさくて、早くここ

 から立ち去りたい気持ちだった。





「いる。一つくれ」




 ほ、ほんとに...?!




「は、はい...」




 皿を夜行に近づけると、夜行が

 おにぎりを手に取った。

 おにぎりを口へと移動するのに

 どきどきと胸が高鳴る。




 
 ぱくっ――...。



< 198 / 232 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop