白い手紙 ~ 二つの心~
~空side~
「空か。どうした?」
月に照らされた夜光がかっこよくて
目線を下げながら言った。
「あ、うん。ご飯食べてなかったから、
夜食を持ってきたんだけど...食べる?」
やっぱり、いらないよね...。
来た意味なかったかな。
じーっと、ただおにぎりを見つめている。
私の心臓の音がうるさくて、早くここ
から立ち去りたい気持ちだった。
「いる。一つくれ」
ほ、ほんとに...?!
「は、はい...」
皿を夜行に近づけると、夜行が
おにぎりを手に取った。
おにぎりを口へと移動するのに
どきどきと胸が高鳴る。
ぱくっ――...。