白い手紙 ~ 二つの心~
ドクンッ――、心臓が脈打つ。
「な、なんで...?」
「....いや、好きじゃないならいい」
そう言って夜行は食べかけのごはんを
私の持っているお皿に戻す。
話題を変えたくて誤魔化そうと一つ段の
下に座った。ここからは月がよく見える。
「な、に言ってるの?私は夜光君のこと
なんか好きじゃないし!そもそも、夜光
君には日向さんがいるでしょ?」
自分の言った言葉なはずなのに、なんか
心が痛い。
なんで、こんなに胸が痛いの――...?
「あいつは...。冗談で言ったつもりだろ。
......................空」
じょう、だん...?
名前を呼ばれるたびに胸が高鳴っていく。
そして私は後ろで立っている夜光に
呼ばれて、ゆっくりと振り向いた。