白い手紙 ~ 二つの心~
「その猫ね?私が小さいときに捨てられ
てたんだ」
後ろから空の声がして俺は振り返る。
「捨て猫か...お前、拾われてよかったな」
俺も、実は捨てられた身だった。
生まれてすぐ、親と離れ離れにされて
誰も飼い主がいないからって捨てられ
たのがここの寺だった。
「うん。みーちゃんがいてくれてよかった。
私はもう、家族がいないからみーちゃんだけだ
ったんだ...」
...辛かったんだろうな。