白い手紙 ~ 二つの心~
「や、夜行が怒った~っっ!うぇ~んっ」
面倒だな...。
面倒だと思っていても、内心はとても
嬉しかった。こんなボロイ寺に来てくれ
る人なんて、滅多にいないから。
「あー、泣くな泣くな。ほら、飴あげる
から」
「ほんとぅ!?わーい!ありがとー!」
そいつは中学生みたいな体型で、中身は
まるで子供のようだった。
いつも純粋に俺に話しかけてくれる。
そんなことでも、幸せだった。