人貸し屋 外伝



そう思いながらも話を続けた

本当の、ことを



「あと1か月で、魔力が切れます。

 術師の魔力が切れる時はすなわち、

 死を意味するのですよ・・・」



ドクターの手から、たばこが落ちる

落ちた先が灰皿の上と言うことに

ほっとしながら話を続ける



「私の力は、生まれた時につきます

 そして、必要な時に必要な分だけ

 使うことが出来る。

 つまり、力に限度があるわけです」



「・・・・・・・・・」



「私は、今までの祖先の何倍もの

 強大な力を持って生まれました。

 しかし、私の血統の者たちは全員

 寿命が大変短いのです。

 私も、あと少しで死ぬでしょう」



笑顔で言うと、

ドクターは急に私を抱きしめた



そんなことは、

初めてだった



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