人貸し屋 外伝
「・・・何で、いるのですか」
屋敷につくと
汗をかいた夜がドアの近くに
立っていた
「・・・何で、泣いている」
睨みつけるような目を向ける夜が
小さくそう、呟く
「泣いている・・・?
私が、泣いている・・・?」
そっと目元に手を当てると
確かに水が、涙が流れていた
「・・・何で、泣いている」
私の質問に答えない夜は、
尚もそう私に言う
「・・・なぜでしょうね。
悲しいから、ですかね」
「何で、悲しい?」