人貸し屋 外伝
何で悲しい?
そんなの、わからない
そんな感情、私は持ち合わせてない
「わかりませんよ。
わかりたくもありません」
小さく微笑みながら夜にそう言うと
夜が少しずつ、近づいてくる
怒られるんだろうか
それも、また、今しか出来ないこと
それも、いいかもしれない
胸ぐらをつかまれて、
咄嗟に目を瞑る
とたん、体を拘束される
夜に、抱きしめられる
「悲しいって言え」
「・・・はい?」
目を開けると、
黒い服が目の前にあるだけ