人貸し屋 外伝
「それで・・・もう1人の方は?」
青年らしき方に目を向けながら聞くと
ご老人が慌てて言った
「孫でございます!
世間知らずで、挨拶も出来ず・・・」
たぶん、《人貸し屋》だから
慌てているんだろう
気を害せば命はない
同業者(魔術師)の中では
そう言われることが多い私
そんなことは、ないのだが・・・
青年はご老人が慌てていることも
全く知らず、笑顔でお辞儀した
「朝陽と言います!
どうか、よろしくお願いします」
「・・・この方は、まだ若いようですが
修理など出来るのですか?」
ご老人に笑顔で聞く
ご老人は小さく頭を下げた
「いろんなことを教えたつもりです
お嬢さんには迷惑かけないかと・・・」