人貸し屋 外伝



「ひとめぼれです!」



さすが人間・・・

そんな曖昧な感情で自分の命を

捨てるようなことになるのか



「・・・どうします?修理屋さん

 アナタの孫は、こう言ってますが」



私は朝陽さんの命を修理屋さんに預けた



「・・・こいつは、俺に似て頑固です

 しかも、恋なんてもんをお嬢さんに

 してしまった・・・

 死んでも仕方のないことです」



『人貸し屋に恋すれば

 その先の命はない』



そんな噂が立っていることは

私も聞いたことがあった



残念なことにその嘘を

信じ込んで命を絶たせるなんて



少しでも人間の血が混じると

ここまで落ちるモノなのですね



呆れながらも

早くに修理が終わると思い

喜んでいる私は・・・

きっと、最悪な術師なのだろう



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