人貸し屋 外伝
第一、アイツは
主以外の人間の言うことを聞かない
「・・・そうですね。しかし
私がいなくても生きていけるよう
ある程度のことを覚えさせなくては」
「・・・・・・は?」
「夜、アナタも私なしで
生きていかなくてはいけない日が
来るかもしれませんからね」
主は小さく、寂しく微笑んだ
「・・・主が死ねば、俺も死ぬ」
俺は主に向き合ってそう答えた
「・・・夜はそういう人間でしたね
でも、そう言うわけには
いかなくなってくるのですよ」
主はそれだけ言うと
屋敷の奥へと行ってしまった
それでも俺は
主のあの顔が頭から離れなかった