人貸し屋 外伝
「・・・私とドクターがあってから、
もう6年になりましたね」
「・・・もうそんなになるか?」
そう言えば、そうかもしんねえ
カレンダーとか家に置いてないから
本当かどうかはわからないが・・・
「主様が1人の男と一緒にいるなんて
今までなかったよね?なんで?」
「・・・医者がいないと、
生活に困りますからね」
「やぶ医者って言ってる奴の
治療なんてしてやんねえよ」
薄皮饅頭を頬張りながら言う
「それに、ドクターは
私の命の恩人でもありますから」
「・・・そうだったか?」
とぼけるように言うが、
あの時のことは確かに覚えてる
俺は薄皮まんじゅうを食べながら
あの時のことを思い出していた―。